作曲・編曲

作曲家

ミキサー

このコースでは奏者を目標にはせず最初から作曲家を養成するためにあるので、深く演奏技術を習得する授業は特に必要とされません。ですが一切楽器が弾けないのも困りそうですし、必須科目ではなく専攻科目としてギター・ベース・キーボド・ドラム・ピアノなどの中から身につけたい物を選択する音楽学校が大半を占めるかと思われます。授業では楽器の特徴や譜面についても学びますので、それまで楽器に触れたことがあまりなく最後に演奏したのは6年前の縦笛かな、と記憶を遡らなければ思い出せないほど楽器とは無縁の生活をしてきた人でも生徒になる資格はあるはずです。当然作曲と編曲(アレンジ)についてがメインになりますがそのジャンルは無数で、ロックンロールやハードロックのように激しい曲やポップス、フュージョンやジャズ、フォークソングやカレージロック、歌謡曲やグラムロック、トランスやテクノ、ワルツにルンバ、ファンクにパンク、デスメタルにオルタナティブロック、スウィングにヒップホップ、ロカビリーなど幅広くあります。それらを全て完璧にマスターするのは困難でしょうから自分が得意とするジャンルを発見したらそこを念入りに、これだけは誰にも負けないという部分を磨くのがこの先生き残るために大事な戦略かもしれません。志望者はそれほど多くないとはいえ予備軍となる人口は決して少なくはありませんので、先を見据えて自分だけの武器を早期発見して磨き続ける、この努力は欠かせないでしょう。裏方で地味に思われるかもしれない作曲家ですが競争率が低いわけではありません、近い将来憧れの職業ナンバー1になるかもしれないのです。

作曲&演奏者

作曲と同時に楽器の奏法も学びたいという欲張りさん向けにはこのコースがあるので、ギターを使って作曲作業をしたい、キーボードの鍵盤を叩きながら曲を作り上げたいと夢見ている人がいるのならぜひ一考してください。基本は作曲について学ぶことになりますが自分の目指すスタイルに合わせて楽器演奏も受講することになるので、ただの作曲家ではなく時にはステージに駆け上がってスポットライトを浴びる姿を観客に披露する機会もあるでしょう。そんな自分の将来像にときめいて就寝前には度々想像してしまい、テレビで音楽番組を観ていても自分の姿をだぶらせたり、毎晩夢の中でアンコールに応えてステージの袖から颯爽と登場して愛用しているレルポールのギターを掻き毟る自分に酔いしれる生徒さんもきっとクラスに数人いるのです。いくら作曲家になりたいと言っても我が手で制作した曲を人に演奏してもらい客さんに聴いてももらうだけでは、若いうちは物足りない気持ちになってしまいます。この手で演奏して観客のハートに届けたい、そんな夢を持ってしまうのは無理からぬ事で、完全に作曲家に徹しきれない時代は誰にでも訪れるのです。だからもしまんがいち自分で演奏するチャンスが巡ってきた時に備えて、楽器演奏者としてのスキルも身につけたいと考える生徒が多いのです。また何かの楽器についてより深い知識を得ることでアレンジャーとしての能力も数段ランクアップすることが期待できますし、音楽学校を卒業してからもいくつかの楽器を手に取ってさまざまな角度から研究する姿勢を持つ先輩もいます。作曲家としての引き出しを多く用意する意味でも侮れない部分でしょう。

  

サウンドプロデューサー

某アイドルグループがごく一部の熱狂的なファンを獲得するようになってからは、プロデューサーという職が話題になることが増えたように感じられます。音楽業界でこの言葉が指しているのは製作者となり、演奏者や作曲家ではなく全ての過程をひっくるめての責任者というポジションがプロデューサーになります。だからといって何もしないし出来ないけど責任だけは持つ、だから私がプロデューサーだよというのではなく、その中の得意分野が発展し延長線上にサウンドプロデューサーが来た、という立場の方が多いのではないでしょうか。カリスマ美容師をやっていて知名度もあるから、歌は歌えないし楽器も扱えないけどサウンドプロデューサーやってみよっか、という流れは不可能とは言いませんが無茶な注文で、仮にそれを押し通すのであれば裏から支える真の実力者が存在しないことにはろくな作品が仕上がるとは思えません。一通りの知識を持ちどの部分においても適切な注文やアドバイスを言えるような人材でなければプロデューサーは務まりません。音楽学校では作品(楽曲)を制作する過程を学ぶことでサウンドプロデューサーとしての才覚を養いますので、作曲も編曲も演奏もミキシングも全てが対象です。この職種の最終形態はセルフプロデュース、つまり自分で全ての作業を行い楽曲を完成させることで、アマチュアミュージシャンとしてやっている人達の中にはメジャーと契約せずにこの形で活動しているバンドも少なからずいることからもわかる通り、その気にさえなれば「それやりすぎ」という程の仕事量ではないのです。最終的にその形で活動するかはともかく、音楽学校でサウンドプロデューサーのコースを受講するのなら一通りは学ぶことになるでしょう。